仮定法の和訳に物申す
僕は高校時代に仮定法と言うものを初めて習いました。
仮定法とは日本語にはない英語特有の表現であり、現実的にはあり得ないことを表現します。
例えば
If I were you, I would do so.
の和訳は
もし私があなただったら、私はそうしてただろうに。
となります。
僕が高校時代に、この概念を知ったとき色々混乱しました。中学時代に習った普通のifを使った直接法との違いがよく分からなかったからです。
If you get lost, please call.(もし道に迷ったら、電話してください)
例えば、これが直接法の英文ですが、仮定法とどう違うのでしょうか。
仮定法の正しい訳は「もしも~だったら」
僕の個人的な意見になりますが、僕は直接法の和訳は「もし~だったら」、仮定法の和訳は「もしも~だったら」にしたほうがいいんじゃないかと思います。
直接法と仮定法の違いは、「もし~」と「もしも~」の違いとよく似ているからです。
こうやって考えてみると、日本語にも仮定法があるような気がするのです。
直接法の例
If it is free, please send me a copy.
訳:もしそれが無料なら、コピーを私に送ってください。
仮定法の例
If it was free, I would recommend it to you.
訳:もしもそれが無料なら、あなたにそれをお勧めするのにね。
直接法と仮定法の違い
直接法と仮定法の違いは単純です。それは0%であるかどうかです。
可能性が少しでもあるなら直接法を使い、可能性が0%だったら仮定法を使います。
直接法の例
If you have any questions, please talk to me anytime.(もし質問があるなら、いつでも話しかけてきてね。)
先生が生徒にこのように話したとします。あなたはこの例文を見て、生徒が先生に質問してくる可能性は何%だと思いますか。
少なくとも0%ではありませんよね。もし本当に0%なら、先生は生徒に向かって「質問あるなら話しかけてきてね」と言う必要はないからです。
仮定法の例
If Japanese people were white people, they would change their mind.(もしも日本人が白人だったら、彼らは考えを変えるだろうに)
さて、これが仮定法の例ですが、このとき日本人が白人になる確率は何%ですか。絶対0%です。
仮定法は、現実が0%であることに使われがちです。だから、仮定法が出たら、実際はその逆が現実で起きているのだと考える必要があります。
そして、宝くじで1等賞が当たるような可能性が低いことでも、仮に0.0000000000000001%でも可能性があるなら、直接法が使われるのです。
TOEICでは「もしも~だったら」と訳そう
TOEICは時間との勝負です。リスニングでも仮定法を使った英語が流れてきますし、パート7の長文でも仮定法が普通に出ます。
仮定法が出たとき
『これは仮定法のパターンだな。よし。「もし~だったら、~だろう」と訳して、しかもそれが現実では起きていないんだな』
といちいち考えていると、これだけで1分は消費されます。
これからは仮定法が出てきたら
『これは仮定法のパターンだな。よし。「もしも~だったら」で英文を理解しよう』
で取り組んだほうがいいと思います。
日本人が「もしも」を使うときは大体仮定法だからです。昔、志村けん・いかりや長介のドリフのコントで、もしもシリーズという人気コメディーがありました。
「もしも~な居酒屋があったら」
「もしも~な病院があったら」
とあり得ない設定で、面白いことをしてきます。
これがそのまま英語の仮定法なのです。
だから、僕は「もしも~」で訳したほうがいいと考えています。
直接法がほとんどで仮定法がたまに出る
当たり前のことですが、実際の英文では直接法がほとんど出て、仮定法はたまに出てきます。これは日本語でも「もし~」を使った表現がほとんどで、「もしも~」を使った表現はたまにしか使わないのと同じです。
これからはこの方法で仮定法を「速読」してみてください。
おまけ
仮定法をめちゃくちゃ分かりやすく解説している動画があるので紹介します。参考にしてください。

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