英語の発音の重要性
この記事を見てくれたあなたはおそらく英語学習にある程度興味がある方でしょう。そして、英語学習ではリスニングにしろスピーキングにしろ、発音が重要であることを何となく理解されていると思います。
そこで、まず改めて英語の発音の練習が一体どのように役立つのかをここでまとめてみます。
メリットその1:リスニングが得意になる
当然ですが、あなたの耳が英語の発音に敏感になればなるほど、英語のリスニング力が伸びます。
メリットその2:スピーキング力が上がる
日本人の英語は残念なことに、いまだに「カタカナ英語」を話す人が多く、外国人にはなかなか理解されません。自分がいくらネイティブぽい発音をしても、外国人が理解してくれない時は心が折れそうになりますね。発音はスピーキングに役に立ちます。
メリットその3:速読ができる
さきほど紹介したメリットはすでに知っている人も多いと思いますが、実は発音と英語の速読は大きな関係があったのは知っていましたでしょうか。 え? なんで? と考えてしまう人のほうが多いと思います。こちらは詳しく説明します。
まず、日本人が英語を読む場合、「カタカナ英語」で読む人が多いわけですが、これが英文解釈の大きな邪魔になるんです。簡単な英文を上げますと、
This is a pen.
さて、これをあなたは何て発音しますか。「ディス イズ ア ペン」だった人は残念ながらカタカナ英語の人です。
けど、「ディスイザペン」と発音できた人はネイティブに近い発音ができているはずです。
両者を比べましょう。
「ディス イズ ア ペン」
「ディスイザペン」
同じ文章でも、ネイティブに近い発音のほうが短いですね。このようにネイティブの発音は長い年月をかけて、文章を読むときに効率的に開発されてきたので、ネイティブぽい発音ができるだけでも速読ができるのです。
「なんだかしっくりこない」と思う人もいると思うので、今度は日本語を例に出しましょう。
日本語の文章をなんでもいいので、コテコテの外国人訛りの発音で読んでみてください。
「ワターシ、ニホンゴ、ハナセマセーン」という感じです。
読んでみましたか?
では、質問したいのですが、あなたが普段読む日本語のスピードと比べて2倍以上読むスピードが落ちませんでしたでしょうか? ほとんどの場合、日本語の文章は日本人の発音で読むのが一番早いのです。
僕は、この外国訛りで速読をしようとしましたが、速読をしようとすればするほど、元の日本人の発音になっていくことに気づき、やはり日本人の発音が一番効率的なんだなと改めて思いました。
もちろん、速読には語彙力や文法力も必要ですが、それと同じくらい発音も大事なのです。
日本人は英語の発音苦手と思ってませんか?
先ほどは、英語の発音がどれだけ役に立つかを話しました。しかし、日本人の多くは自分は発音が苦手だと思い込んでいます。
確かに、ネイティブと比べたら下手なのは事実です。しかし、日本語の発音と英語の発音はそこまで大差がないと僕は思うのです。
というより、日本人は無意識に英語にある発音や英語に近い発音をすることがあります。そのことを多くの日本人が気づいていないだけです。
そこで、この記事では英語の発音の多くは日本語の発音の仕方で十分できるということを証明したいと思います。
ただし、すべての発音をここで書くと文章が長くなるので、LやRの発音のような日本人が特に苦手意識を持っているものに絞りたいと思います。
Lの発音
日本人はLの発音が苦手だと思う人が多いです。また、外国人も日本人はLをRと発音すると考える人もいます。
確かに、英語のLの発音は独特でその舌の使い方は日本語の「ラ行」にはありません。
しかし、ちょっと工夫するだけで日本人でもすぐできるようになります。
やり方
まず、あなたは「ナ」と発音できますか。もちろん、日本人ですから、「ナニヌネノ」の「ナ」の発音は簡単です。
では、次にその「ナ」を強く発音してください。腹に力を入れて「ナッ」という感じです。
次に、その「ナッ」を10回言ってみてください。
できましたか?
では、その「ナッ」の発音をしたとき、あなたの舌はどう動いていましたか?
おそらく、あなたの舌は歯茎の下を押し付けるように動いていたはずです。
実は、この強い「ナッ」の舌の動きと「L」の舌の動きはかなり似ています。
練習
次は、「ナッ」を10回言った後、その舌の動きのまま「ラッ」と発音してみてください。
これがLの発音です。もちろん練習は必要かもしれませんが、多くの方ができるようになると思います。
この「ラッ」の発音が慣れたら、その舌の動きを意識しながら「ラッ」「リッ」「ルッ」「レッ」「ロッ」と発音しましょう。
これであなたはLの発音を自分のものにしました。
Rの発音
Rの発音はLよりも習得に時間がかかりますが、以下の方法でトライしてみましょう。
やり方
猫の鳴きまねをしてください。猫っぽく「ニャーウ」と言ってください。「ニャー」じゃなくて、「ニャーウ」と言ってくださいね。
それを大きな声で10回言ってみましょう。
実は、猫っぽく「ニャーウ」と言ったときの舌の動きは、英語のRの舌の動きとよく似ています。
「ニャーウ」と発音すると、口の中で舌が大きく動いているのが分かりますが、Rの発音もこれくらい動くのです。
練習
「ニャーウ」の舌の動きのまま、次は「アール」と言ってみましょう。少し練習が必要と思いますが慣れてください。それがRの発音です。「ニャーウ」「アール」「ニャーウ」「アール」と交互に言えばすぐに慣れるでしょう。
さらに慣れてきたら、その舌の動きのまま「ラリルレロ」を言ってください。これが自然にできるようになるまで頑張りましょう。「ラーゥ、リーゥ、ルーゥ、レーゥ、ローゥ」とあえてカタカナで書くならこのような言い方に近くなっていれば成功です。
Thの発音
Thの発音は日本語にはないものです。ただ、英語を少し勉強したら分かりますが、LやRと比べるとマスターする難易度がかなり低く、あまり気にしなくていいです。
やり方
舌の先っぽで、上の前歯の先っぽをぺろぺろ舐めてください。
次に、ぺろぺろ舐めた状態のまま、口から息を吐いてください。
その時、「スー」という音が出たら成功です。
練習
ぺろぺろ舐めたまま「スー」と音が出たら、今度は舌を固定した状態で同じ「スー」の音が出るようにチャレンジして下さい。それがThの正しい発音です。
慣れてきたら、その音で「サシスセソ」と何度も言って練習しましょう。
それもできるようになったら、今度はその舌で「ザジズゼゾ」も言いましょう。
FとVの発音
日本語にない音ですが、マスターするのが一番簡単な発音です。
やり方
上の前歯で、下唇を噛んでください。その状態のまま口から息を吐いてください。
すると、空気が抜けるような音で「フー」という音がします。それがFの発音です。
練習
ある程度慣れてきたら、「ファ フィ フゥ フェ フォ」と発音してみましょう。
さらに慣れてきたら、「ブァ ブィ ブゥ ブェ ブォ」と発音してください。これがVの発音です。
ngの発音
英語の「ン」の発音は二種類あります。1つは「n」で、これは日本語の「ん」と同じです。そしてもう1つは「ng」です。
nは理解できてもngはよく分からない人が多いと思います。
ただ、ngの発音は日本語でも意外と使われます。「案外」の「ん」はngであり、「案内」の「ん」はnの発音です。
ただ、この知識のみでスピーキングで正しくngの発音ができるのかというとそうは行きません。
やり方
そこで、まず案外と案内の発音を交互に言ってみてください。
両者の違いが分かりましたでしょうか。実は、案外と発音するときは、鼻に力を入れています。一方、案内の発音の時は鼻に何も力が入っていません。
ngの発音をするときは鼻に力を入れ、nの発音は鼻に力を入れないのです。
これも練習を繰り返して自分のものにしてください。
英語の母音の発音
日本人が苦手な子音の発音を最初に書きました。しかし、英語は母音も日本語よりも種類が多く、むしろLやRよりも母音のほうが難しいと言う人もいるくらいです。
その中でも特に難しいのが、「ア」の発音です。
英語の「ア」の発音は大きく4種類あり、ネイティブはこれらの発音をちゃんと聞き分けます。一方、日本人はこれらの発音をすべて「ア」と発音するため、日本人の英語が何を言っているのか分からないと思われるのです。
そこで、ここでは「ア」のすべての発音を習得するコツを教えます。
əの発音
冠詞のa、the、and、aboutなどの「ア」に使われます。
やり方
この発音は、日本語の「あ”」や「え”」にかなり近いです。この音を意識してください。
ɜの発音
やり方
この発音は先ほどのəの発音を伸ばしたものです。だから「あ”-」あるいは「え”-」にかなり近いです。
æの発音
apple、that、catの「ア」の発音に使われます。
やり方
日本語の「なんでやねん」の「でや」、あるいは「てやんでい」の「てや」の部分がかなり近いです。
「なんでやねん」の「でや」の部分だけ、もう一度発音し、今度は「えあ」と母音の部分だけ発音してください。それがæの発音です。
逆に「なんでやねん」の「でや」を本来の日本語の「あ」の発音にすれば、優雅で上品な発音になってしまうことに気づくでしょう。
ɒの発音
hot、dog、podなどに使われます。
やり方
まず、「さしすせそ」と言ってください。その時の「そ」の発音がɒの発音に近いです。日本語の「お」よりも少し音階が高い音がɒの発音です。
あるいは、「ソーダ」の「そ」もこれに近いです。
「そ」と発音し、次はそれを母音のみで発音をするなどの練習をし、自分のものにしてください。
ʌの発音
cup、but、luckyなどに使われます。
やり方
「ピカチュウ」の「カ」はこの発音にかなり近いです。この発音は、日本語の「あ」とほぼ同じという意見もありますが、僕は「ピカチュウ」のほうがより近いと思います。
「ピカチュウ」が分からない人は、ngの発音で紹介した「案外」の「あ」の音に近いと覚えてください。
少し音階を高くして「あ」と発音する感じですね。
発音はみんな間違える
今回は発音が苦手、発音があいまいな人向けに書きました。
日本人の中には発音が適当でもいいという意見もありますが、僕はそう思いません。
その昔、僕がカザフスタン出身の女性と英語で話したとき、その人が話の中でこんなことを言ってきました。
「グリル、グリル」
「?」と僕は思いました。一瞬、英単語の「grill」じゃないかと思いましたが、文脈に合いません。
そこで、文脈からその単語を推測してみると、これだとすぐ気づきました。
GIRL(ガール)
これをアルファベットの順番で読めば、確かに「ギィルル」と読めるので、僕はそれが「グリル」と聞こえたのです。
これは明らかな発音の間違いだ。こんなのネイティブも理解しない。
そこで、僕はできるだけ正しい発音で「・・・ガール?」と聞き返したのです。
すると、その女性はすぐに再び「グリル、グリル」と僕に返したのです。
けど、日本人はこのカザフスタン女性を笑えません。これに近いレベルの発音間違いをすることがあります。
さらに発音を良くしたいなら
今回紹介したのは、英語の発音の一部だけなので、よりネイティブみたいな発音を目指したいなら、専用のトレーニングコースを学ぶのが一番良いと思います。
もしも、できるだけ安く学びたいなら例えばこのような書籍をチェックしてみるのもありです。
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ただ、僕自身は発音はDMM英会話の教材を使って、オンライン英会話で学びました。
こちらの教材で英語圏の人とレッスンするのが一番でしょう。
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