前置詞のat
前置詞のatは、中学で必ず習う英単語であり、知らない人はいないでしょう。@マークの@が実はatの略であるのは知っていたでしょうか。
しかし、日本人がこのatを学ぶときは必ずつまづきます。
例えば、あなたは「at」と「in」の違いが分かるでしょうか。
たぶん、ネイティブでもうまく説明できる人っていないと思います。
しかも、atはイディオムでもたくさん使われており、特に大学受験の英語では膨大なイディオムを暗記しなくてはいけません。
atの核の意味は「点」ですが・・・
atの核の意味はなんでしょうか。それは「点」です。これは文法書にも載っていますし、学校の先生や予備校講師が説明してくれたかもしれません。
例えば、
look at the picture!(その絵を見て!)
という英文では、絵を点のように捉えて、その点をlookしなさいと命令していることになります。
他の例を上げます。
I am at Tokyo station.(私は東京駅にいます)
この場合、東京駅を点と捉えて、「私は東京駅という点にいる」という意味になるわけです。
しかし、この説明はなんだかこじつけのような感じがしますし、正直もう一つの前置詞「in」とどう違うのかもいまいちピンと来ません・・・。
atは「一時的」という意味もある
実は、atには「点」だけではなく「一時的」というニュアンスもあるんじゃないかと僕は考えています。
例
I get up at 8 o'clock.(私は8時に起きます)
atはこのように時間を表現するときに使われますが、atが「一時的」というニュアンスがあると分かれば、意外とすんなり理解できます。1日という長い時間では、8時ちょうどは一時的でしかありません。このような一時的なものにatが使われます。
I am at Tokyo station.(私は東京駅にいます)
東京駅に生まれてから死ぬまでずっと住んでいる人はいませんよね。東京駅は「一時的に」しか使われません。
atは場所を表しますが、このような一時的な使い方しか思いつかない場所に特によく使われます。「in」と違い、「at」は一時的な要素が強いのです。
I am at school.(私は学校にいます)
学校も一時的にしか使わないので、atでいいわけです。
I am at home.(私は自宅にいます)
「なぜ自宅でもatなの?」と思う人もいるかもしれませんが、普通学校や会社に行っているなら、自宅ですら一時的な場所と捉えるのが英語の世界のようです。
ここからはTOEICによく出る表現を取り上げます。
a bus arrives at 20‐minute intervals(バスは20分おきに到着します)
intervalは間隔という意味です。20分経つと一時的にバスが到着し、さらに20分経つと一時的に到着するというわけですね。
at half price(半額で)
atはこのような値段にも使われます。これも価格というものが一時的な要素があるからだと考えられます。株やFXの経験があれば、株価や通貨は時間によって変わることは知っていると思います。近所のスーパーでも一時的に弁当に半額シールを貼ったりしますね。
at issue(争点になっている)
争点のような一時的なニュアンスがある場合、atが好まれます。
at your convenience(あなたの都合の良い時に)
あなたにとって、なんでもできる都合の良い時間は、一時的な時間しかないと思いませんか?
at your disposal(あなたの思いのままに)
サービスで、なんでもあなたの言うことを聞くのは、一時的な時しかありませんね。
at random(無作為に)
randamとは日本語でも「ランダム」という意味で輸入されています。いつでもランダムな状態はありえないので、atをつけて一時的なニュアンスを与えます。
at the latest(遅くとも)
the latestは一番遅いという意味です。これにatを付けることで、一番遅い状態を一時的にするというニュアンスになり、「遅くとも」となります。
at your own risk(あなたの責任で)
仕事のすべてをあなたの責任にはできません。atを付けて「一時的にあなたの責任である」となります。
atは思ったよりも簡単です
このようにatはコツさえつかめば、かなり簡単な前置詞です。この知識を使って、ぜひTOEICで活用してください。

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